キタノブルーってなに?北野武監督が描く「孤独」を包み込む「美」

「キタノブルー」という言葉。

聞いたことはあるでしょうか?

大人世代には印象的な言葉かもしれませんが、今の言葉で言うと「エモい」という感じでしょうか……。

言葉で説明するのは難しいキタノブルーですが、そこに込められたメッセージ性も含めて深掘りします!

目次

キタノブルーってなに?

キタノブルーとは、映画監督・北野武(ビートたけし)さんの作品における特徴的なブルー(青色)の使い方のことを指します。

北野武監督の作品では、青色が作品全体のトーンを支える重要な役割を果たしていることがあります。

それはただの青色(ブルー)ではなく、北野武監督の映画が持つ独特の雰囲気やメッセージ性が反映された青色のことで、その独特の色彩をキタノブルーというのです。

特に北野武監督の初期の作品に見られる色彩だよ!

では、キタノブルーが印象的に使われている作品にはどんなものがあるのでしょう?

キタノブルーが印象的な作品

「ソナチネ」1993年

キタノブルーと聞いて一番に思い浮かぶ作品といえば、おそらく1993年の「ソナチネ」をあげる人が多いでしょう。

青い空と青い海をバックにヤクザ達がバカ騒ぎをする場面。

楽しそうに見えますが、背景に映る青色が登場人物の内面の「孤独」や「静けさ」を強調しています。

このキタノブルーは、作品の中の「暴力」と「美しさ」の対比をより際立たせる役割をもっています。

「HANA⁻BI」1997年

キタノブルーの印象が強いもう一つの作品は、1997年の「HANA⁻BI」です。

夜のシーンや海辺でのシーンでは、冷たく淡い青色が多用されており、感情の深さや儚さが表現されています。

特に最後の海岸でのシーンでは、青色の静けさが「生と死の境目」を強調していて、見ている人に強い余韻を残します。

キタノブルーに込められたメッセージ性

北野武監督は青色を巧みに使い、視覚的な美しさと物語の深いテーマを結び付けています。

「キタノブルー」は、北野武監督の作品を語るうえで欠かせないキーワードになっているのです。

そこにはどんなメッセージ性が込められているのでしょう?

キタノブルーに込められたメッセージ性①孤独と静けさ

北野武監督の作品では、登場人物の孤独内面的な葛藤が描かれることが多いです。

言葉少なく、不器用で孤独を抱えている登場人物×キタノブルー

その澄んだ青色は、「冷静さ」や「静けさ」を象徴していて、内面的な苦悩や孤独感・心の静寂を強調する役割を果たしています。

キタノブルーのメッセージ性②生と死の境界

北野武監督の作品では、悲劇・死がたびたび描かれます。

澄み切った空や海は美しく儚いのに、同時にどこか冷たく無情。

その美しい映像やコントラストが「生の儚さ」や「死の静けさ」を表しているのです。

キタノブルーのメッセージ性③その他の意味合いや背景

作品の中では、青色をほかの色と対比させることで緊張感やドラマを生み出したりもしています。

青色は平和や静けさ・希望を象徴する一方で、冷たさや距離感を表すこともあります。

北野武監督の作品でも、こうした意味合いがキタノブルーという色彩に込められていると考えられます。

キタノブルー まとめ

キタノブルーとは、北野武監督の作品で独特の雰囲気を表現する際に使われる青色のことでした。

青色と言っても単なる色彩演出ではなく、キタノブルーは、作品の登場人物が抱える孤独と死を優しく包み込み、見ている人々に余韻を残すメッセージとして重要な役割を果たしていました。

孤独・死・希望・美しさ ― 深いメッセージ性があるキタノブルーは、単なる色の名前以上のものであることが分かりました!

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